2025年01月26日

ウサジイの公演日記#1113

【ウサジイ昔ばなし】〈127〉・・・舞台監督
劇団の各公演グループには、責任者=班長がいる。小学校公演班には別に舞台監督を置き、複数での運営をしている。ところで舞監というと、上演当日のステージを管理する他、上演作品の創作・質の維持の進行役となる。が、当人の資質によってあり様は異なってくる。ジイは1980年代「悟空誕生」2年目〜「西遊記」2年目の4年間、舞監の任に就いていた。班長のC氏が公演先・外部スタッフの対応にあたり、ジイが稽古関係・舞台設営関係を担当していた。班にはもう一人の先輩=U氏もおり、傍目八目的に足りない部分を助言してくれていた。
ところで当時は、子ども・おやこ劇場全盛期で、1ヵ月ほどの旅公演が多かった。寝起きを共にする長丁場の旅公演。その頃は旅館が多く、大部屋で文字通りトモニしていた。上演に際しては常に新鮮であろうとは思っていても、生活環境的に「慣れ」は発生してしまいがち。そこで舞監のジイは、旅に出る際に「ネタ」を幾つか仕込んでいた。…それは…チョット狡いやり方ですが、いつもとは違う状況を人為的に起こすと云うモノ。例えば…「西遊記」で、既に出番の終わった白馬を登場させ、悟空に対峙させる。(後半に数分、ジイの手が空く時間があったのでしょう)⇒周囲の役者は驚いたようでしたが、肝心の悟空役=C氏には「お前の出番は終わったんだよ!」と一喝されてしまった。役者が一枚上でした。
役者集団自体も新鮮さを欲していたのか(?)・・・佐賀県多久市での上演時、「ったく〜」が連呼された。各自が自分の台詞のどこで使えるか考え、それとなく発していたと記憶してます。そのツアー・別公演では「ドモリ」のオンパレード。事の発端はある役者が台詞を噛んでしまった。その後、自然発生的にチョットずつ嚙みがちにドモルが始まった。ただ一人終盤までソレのなかった先輩=U氏は、大団円となる筋斗雲の投げ手。悟空の「お〜い、筋斗雲〜!」に呼応して「お、お、お〜!」いや、そこでやるとは参りました。
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2025年01月16日

ウサジイの公演日記#1112

幼保公演の依頼は各園から来るわけで、行政の取りまとめでなければ自治体単位で右ならえ!となるはずはない。が過去、幾つかの自治体で、公演減少から急速に皆無となった事例がある。他の劇団に移ったのか?…東濃・土岐市の場合はちょっと違う、と云うかちょっと分からない。ジイが入団した頃、かなりの園で上演していた。(その頃、園のバザーで購入した丼ぶり=¥20は、今もジイのラーメン用です)けれど、その数年後には土岐市の公演は無くなっていた。当市にはむすび座にいた方の劇団があり、その方曰く「うちの市じゃ人形劇やらないんで、市役所に怒鳴り込んだの。でもナシノツブテ」という訳で、諦めていた。ところが今年、夏ころにオファーがあり、ジイ達が市内全園を巡演することになった。
やや「ドウユコト?」的な感じで、最初の園に伺う。今まで観劇していなかったような感じではない。話を聞くと…「何年も前から市が取りまとめている。劇団は市が決めて各園に紹介する」あまり詳しくは聞けなかったが、どうやらこの地域以外の劇団もあったもよう。…公演後、衣装洗濯のために園の洗濯機を貸して欲しいと言われたとのこと。(ん〜、それは劇団としてどうでしょう?)
さて公演、「ももん」冒頭から大盛り上がり。笑いの間隙をぬってのお芝居でした。そんな園に限って「カミナリ」では、集中度が高い。後から先生に聞いた話「年少さんもお爺さんの気持ちを判っていたみたい。チョット涙ぐんでいました」…極めつけは主任先生。終演後、何人かに感想を聞いた。直後「私も感想が言いたい」と挙手。「もう感動しました!お爺ちゃんの寂しそうな姿、戻って来た雷ちゃん。泣けちゃった」と、周りの子ども達など目に入らぬ様な勢いで伝えてくださった。ジイ達「先生のような大人がいるから、子ども達も感性豊かになるんですよ」・・・いや、本当にそう思えるステージでした。
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2025年01月02日

ぶぶふぉと・・・アケオメ

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後ろの輪っかは、茅の輪っていうの。
くぐると、良いことあるんだって。

※ 鈴鹿市・都波岐奈加等神社にて
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2024年12月28日

ウサジイの公演日記#1111

日間賀島の保育園で「ももん&カミナリ」:島は愛知県に三つある有人島の一つ、知多半島先端の師崎港からフェリーで20分の所に浮かんでる。劇団には数年前よりオファーがあり、何度かうかがってはいる。ジイは初めて…チョット嬉しい。船便ゆえ余裕をみての出発、小一時間で港着。名古屋鉄道が経営する小規模な船便なので、埠頭には係員不在。4〜5台並ぶ車列に付き、前の車の方を追いターミナル(?)=発券所へ行く。ジイ達の後ろには郵便局の車、そして黒猫@@@のトラック等。どれもギリで来て、のんびりと発券してくる。乗る方も乗せる方も顔見知りっぽい感じの船でした。
島の道路の状況に不案内で、事前にウェブ地図をプリントしておいた。が、想定以上の複雑さで旧集落へ突入。先は車両走行不可の幅。戻るための切り返しにアタフタする始末。何とかたどり着いた園は、島のてっぺんにありました。先生方は、1名を除き島外からの通勤。師崎港から高速船で通っているという。欠航の場合は、港待機らしい。辛うじて島在住の方が1名いました。開演前に保育室からの声が聞こえてくる。「今日は観劇会です。荷物を積んだ車で、海を渡って来てくれたんだよ」…「ももん」の橋の場面、下に流れる川が表現されているのだが、それが出た瞬間「あ、海だ!」さすがは海の子でした。因みに、終演後バラシ最中、12時になり役場支所から流れてくる音楽は「我は海の子(?)」でした。
撤収後、蛸が名物の島で豪華な昼食を!と意気込んでみたのに、ほとんどの食堂が休店。一番賑わってるはずの西港で会ったおっちゃんが「東港の###しか開いてないぞ」そちらに行くと、席待ちが30分。帰りのフェリーギリギリで何とかご飯ゲットでした。・・・リベンジしたい所です。
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2024年12月26日

ウサジイの公演日記#1110

おかげさまで、おさんぽ劇場は年末まで大忙し。「ももん&カミナリ」が名古屋市内の幼稚園と保育園で続いた。どちらも小さな子も最後まで観てくれた。先生方が(観るの、当り前でしょ)的な感じで、(小さな子は心配だから、中入りで退出…)なんて言わない。そんな雰囲気が良かったのかも。無理だったら、その時に対応してくれれば良いのです、ジイ達は。(お芝居途中の退場もアリです)
「ももん」は頭から大笑い。尺取虫が登場すると「可愛い」と「気持ち悪い」が半々の反応。そのうち「気持ち悪いけど…可愛い」の声も聞こえる。笑いを堪えたのは「私、芋虫の事典持ってる!」…昆虫の図鑑なのでしょうか?そして、ももんちゃんが尺取虫の真似をすると「あ、一匹増えた!」年長さんの台詞はさすが余裕です。そして、ももんちゃんと共に走る子も何人か。走ると云っても、客席で立ちあがり、足踏みしてるんですけど…。
「カミナリ」では、爺さんにたくさん声を掛けてもらった。2歳さんの男の子が、様々な忠告をしてくれる。彼にとって、爺さんなのだが年下に見えているようでした。驚いたのは「謝っていない!」。蓄音機を壊された爺さんが怒り、雷ゴロちゃんのお母さんが迎えに来て、雲の上に帰って行く時、その発言が聞こえてきた。今までも「げきみてトーク」(=合評新方式)等で話題になった「雷親子は謝罪したか?」問題。上演時に声が出たのは初めてのことです。発言した子の環境に興味津々です。常々、親御さんから忠告されているのかな?
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2024年12月25日

ぶぶふぉと・・・日間賀島

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ぷっくり感と色の傾向が似てる。
なんか親近感。

※ 日間賀西港・近くにて
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2024年12月18日

ウサジイの公演日記#1109

愛知県北部・岩倉市の保育園で「ももん&カミナリ」。おさんぽ劇場は3年連続、しかも「ももん」3回目(「ともだちや」も2回)のお得意さま。園は市街地から少し外れた、田園の中にポツンと建っている。園舎は旧いが、その分なんとなく落ち着いた雰囲気がある。そんな園の、楽しい子と頼りがいある男性園長の話です。園舎はL字で、片方に遊戯室・職員室・給食室・乳児室と並んでいる。もう一方の枝には3歳以上児の3部屋が並ぶ。仕込み終わりテラスに出ると、給食室の前で調理員さんと話すA君。どうやら今日のおやつに関して質問しているようだ。話終わりの彼に聞くと、おやつは人参ケーキだと云う。彼にクラス名を問い、案内を請う。連れだってくま組へ行き、先生に事の成り行きを話すと「Aちゃんは大きいから、午前のおやつは無いのにねぇ」と笑ってました。…のんびりした園なんです。
しばらくの後、上演会場前に加配の先生と共にR君がやって来た。飾ってあるウェルカムボードに興味津々。メンバーCちゃんとジイの似顔も描かれている。それを指差し(実際に突っついて黒板のチョークを消してしまったのだが)「ばあちゃん、笑ってる」「ジイちゃんは?」と問うと「怒ってる」…ふ〜ん、そんな風に見えたんだ。…やがて入場。この日は開演前に誕生会。12月生まれの子達が、みんなの前に並んでお祝いしてもらう。「@@ちゃ〜ん!」と呼ばれた子は「は〜い」と応え、新しい年齢での抱負を述べる。一通り終わった頃、R君が怒りだした。司会の先生か持っていたマイクを奪い、泣き出した。先生方の対応で何とか収まったが、どうしたのかな?と謎は残り、お芝居が始まった。上演中はR君、とても集中して観てくれた。「カミナリ」では「爺ちゃん、こっち来て」と極めてフレンドリーでした。
終演後に園長先生とのミニ茶話会。誕生会での騒動を説明してくれました。R君は誕生月ではなかったが、自分も名前を呼んで貰いたかった。それで暴れ、泣いたのだった。先生方は、一度許すと毎月同じことが起こると阻止した。園長先生は「僕は呼んであげればいいと思うんです、毎月の事になったって。だって、誰に害を成すわけでもないでしょう?」「そんな事について、職員がじっくり話し合える時間がとれると良いのですが…」そして「彼はアンテナの張り方がチョット変わっている。でも、周りの状況にはとても敏感なんです」・・・R君、良い園に行けて良かったなぁ。
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2024年12月17日

ウサジイの公演日記#1108

諸々の事情で、秋から年度一杯は「ももん&カミナリ」のみの公演が続いている。もう何年間も2〜3作品を持って巡演していたので、同じ作品での半年近くはどんな感じだろう?とは思っていた。が、意外に新鮮な日々が続いている。園の雰囲気・子ども達の状況などが違うと、それなりに間合いや強弱が変わってくる。それから…初演から7年も経っているにも拘らず、新しいハッケンまである。例えば「カミナリ」ラスト・爺さんゴロちゃんと再会の場面。「蓄音機?…音楽が聴けるのか?」の台詞。極めて普通に問うていたが、演出からもメンバーからも苦情はなかった。が、考えてみれば段ボールのおもちゃで音楽が聴けるわけがない…を、やっとのことで気づき、台詞の心根を変更した。遅すぎた気づきだが、ジイにとっては嬉しい変更だった。
そんなある日、市内の児童館での公演。名古屋市は、10年ほど前に児童館を指定管理にした。最初は違和感もあったが、受託者が社会福祉協議会だったこともあり、熱心に運営されている。しかし予算がない!ので、人形劇の公演はほとんどなくなってしまった。(今回はNPO法人の助力があったようです)・・・で今回だが、なんと0〜2歳さんの親子が対象の企画だという。「ももん」に惹かれてのことだろうか?とやや心配で到着。作品の理想対象年齢を伝え、「時間的に無理であれば、気兼ねなく一旦退出をと伝えてください」と話す。が…結果、ほぼ全員が最後まで観劇。と云うのも、恐らく親御さんが楽しんでご覧になっていたから(?)、子どもは親の心境に影響されますから…。
そんな中、ジイ達を震撼させたのは小さなトナカイさん。開場一番で入場してきた母子…の子=女の子・2歳。季節がらトナカイデザインのツナギを着ている。開演前のパフォーマンスとして、乳児さん向けの「コロコロ」=短い円筒形のおもちゃを転がしていると、トコトコやって来て取られてしまった。まぁそれは後から返してもらうとして、入場してくる方々に対応する。さて開演、児童館のスタッフさんには「小さな子が少しくらい歩き回っても大丈夫。ただ、照明など倒れる危険だけは注意してくださいと伝える。で、上下の前方にスタッフ待機。ところが例のトナカイさんは、それをかい潜って舞台へ突入!二度ほどスタッフさんが戻してくれた。芝居中の舞台転換時にやって来た時には、ジイ自ら抱っこして戻ってもらいました。・・・自由にしたい面もあり、客席全体を考える面もあり、難しいところです。
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2024年12月01日

ぶぶふぉと・・・紅葉

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ボクのお肌も真っかっか〜♪

※ 津市(旧芸濃町)の河内渓谷にて
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2024年11月28日

ウサジイの公演日記#1107

清須市の児童センターで「ももん&カミナリ」を上演。緊張の公演でした・・・と云うのは、子育て支援事業で親子15組の客席。もちろん子どもは、3歳未満・1〜2歳さんが多かった気がする。劇団では0〜2歳向けの作品も公開しているが、「ももんちゃん」に惹かれてといったケースがしばしばある。「ももん」は元来、乳児さん向けに創った訳ではない。優しい雰囲気と台詞なし(?)=喃語中心なので、確かに低年齢の子にも無理なく観てもらえる。けれどストーリー自体は、3歳以上でないと理解できない部分が多い。…なんて泣き言を言っても仕方がない。オファーがあればステージを観てもらうばかりです。
この日は日常的に児童センターに来ている親子が半分、あとは始めて来る方らしい。早めに仕込みが終わり、階下(会場は2階)に行くと、既に2組が来ている。常連さんらしく子ども達は勝手にオモチャを出して遊び始める。そんな子は初めてのジイでも大丈夫らしく、一緒に遊んでくれた。問題は一見さん…ややドキドキのお出迎え。ワンワン&コロコロのパフォーマンスで、大丈夫そうな子には関り、そうでない子にはそれなりに。そして「ももん」の入り…お芝居と云うモノは特別な空間ができるわけで、それに馴染めないと怖いのです。なるべく日常を意識しての開幕。なんとか大丈夫だったようです。けれども「カミナリ」は、さすがに厳しかった!そもそも4〜5歳さん向けのストーリー、会場と駆引きするように進行します。でも、時々、意外なところで笑う子がいたりして、彼は何を思ったのか?疑問です。何とかかんとか終演した後には、一組づつ記念写真を撮ってめでたく完了。親御さんにとっては、記念のフォトがあれば万事良しなようでした。
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2024年11月21日

ウサジイの公演日記#1106

秋は芸繁期。昨週は日曜日〜土曜日の7st。で、今週は月〜金だが、5日8st!(その昔・ジイ若かりし頃に比べれば、何てことはないのだけれど…)その二日目、名古屋市内中心部の保育園公演。都市部の園には駐車スペースのない所もあり、この日も駐車は近くのコインパーキング。そこから100mほど荷物を運ぶことになる。これに限らず困難は様々(狭小会場など)あるが、公演を企画してくださる園には感謝しかない。さてこの日は、午前午後の2ステージ。午前に1歳+2歳低月齢が「ももん」〜2歳高月齢+3歳が「カミナリ」、午後に4〜5歳がフル観劇という流れ。コロナ以前は一度で観ていたが、コロナ時の少人数観劇の良さからこのシステムになった。(まぁ、それぞれに善し悪しがあるかとは思います…)
客席の年齢が異なると、ジイ達もそれなりに演技を工夫することになる。詳しくは文章化しにくいが、テンポと間合いには気をつける。…で、1st目:ももんちゃんの行動に2歳さんは大興奮。足をバタバタ・両手で床をドンドン!ありがたい声援でした。午後の4〜5歳さんでは、市中心部・いわゆる繁華街に近いだけあって様々なツッコミに逢う。自己アピールだと思い受け流しながら、お芝居は続く。「カミナリ」終盤・雷の子と喧嘩別れして独りぼっちの爺さん。騒がしかった先ほどを想い出し「静かじゃなぁ」と呟く。すると前列・年中さんが「あ〜〜」などと声を出す。直後、両手で床をドンドンと叩きだす。10人ほどが一斉に。…ジイ演じる爺さんは聞こえるはずもなく、ジッとしている。すると「ママに会いたくなった」的な言葉が聞こえ始める。叩いていた彼らだ。・・・ちゃ〜んとお芝居を観ていてくれ、寂しい爺さんの心象を反映してくれたんだなぁ。やっぱり子どもはスゴイ。
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2024年11月15日

ウサジイの公演日記#1105

「カミナリカレー」で演じている爺さんは、カレー作りが得意。カレーを知らないに雷ゴロちゃんに聞かれ「カレーと云うのは、世界で一番旨い食べ物じゃ」と断言する。若干無理もある台詞ゆえ、スパイシーな食物を総じて「カレー」とイメージして言っている。しかし、観ている子達にとって受け取り方は様々。そもそも食の好みは色々だから、反応も色々になる。大抵の子は何となく納得するが、「えーっ、違うよ!」と自分にとっての一番旨いモノを主張する子もいる。中には「へ〜、そうなんだ」と、新発見を聞いたかのように納得してくれる子もいる。(少々、後ろめたい気分)然してこの日は「人によるけどね」と、極めて冷静な発言があった。…はい、まさにその通りです。
公演先は浜松市の幼稚園。既に何度か書いているが、ここも園児数10余名。最寄りの園との合同で公演を作ってくださっている。しかし少人数には、それなりにラッキーな面も多々ある。上演にしても、ひとり一人の反応に合わせて演じられる。(=観る側に合った表現となる)上演後の質問コーナーでも、尺取虫のワークショップ的なことまでできたりする。・・・翌日は四日市市の幼稚園。ここはさらに少なく、園児6名(しかも1名お休み!)けれども「遊び会」(=未就園児に園を開放)の親子が10組ほど参加して、それなりに賑やかに。1〜2歳ほどの子ばかりだが「カミナリ」までしっかりと観てくれた。そんな子たちは、何故か立って観ている。座っての観劇は馴染まないようだ。途中で親御さんが膝に乗せるので、ず〜っとって訳ではないのだが…。放っておけば、ずっと立っているのだろうか?興味がわく。
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2024年11月11日

ウサジイの公演日記#1104

「ももん&カミナリ」で名古屋市内の幼稚園公演。ジイが入団した年にはお世話になっているから、ヒョットしたら劇団創立間もない頃からの公演先かもしれない。入団初年の光景は、朧気に覚えている。夏?園庭で走り回る園児たちにホースで放水している先生方。園庭に溢れんばかりの子ども達がいた。然して近年は、例にもれず園児減少。今年は50名弱でした。けれども元気な子たち!「ももん」冒頭・ベルを鳴らしながらの導入部。「チリチリン〜」に呼応して「イェ〜イ!」次の「チ〜ン」にも「イェ〜イ!」意外な反応に驚きながらも、こちらがすっかり乗せられました。
その反応の先陣を切っていた男の子・3歳。初めは幼稚園に入学したのだが、偏食が激しく、併設の保育部門で生活している。幼稚園では給食がある。しかし彼は、ポテトとチキンナゲットしか食べない。…おそらく親御さんの食生活がうつってしまったのでしょう。ご両親は心配していない模様。園側が判断して、離乳食的なところから食生活を改善しているらしい。とりあえず入園してラッキー、あとはこの先どう過ごしてゆけるか…心配でもある。
食事と云えば、その地域には中東からの出稼ぎの方々が多い。年長クラスだけでも、13人中4名がそうした家庭の子どものようだ。そして給食には、イスラムの戒律に触れるメニューもある。なので彼らは弁当持参。昼食の配膳棚には、納入された給食弁当と持参の弁当バッグが同居して並んでいた。(因みにその近辺には、ハラル食材の店舗がいくつかある)にしても、保育園ではなく幼稚園に来るのか?中東の就学事情が関係しているらしい。(以下・園長先生談)彼らの家族は、いずれ母国へ帰る。そこでは教育施設が少なく、全員が就学できるわけではない。日本で就学(幼稚園=幼児教育)していた証明書があると、優先的に就学できる。それで保育園を避けているようだ。
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2024年11月06日

ウサジイの公演日記#1103

「子どもは突飛なコトを言う」などと聞く。今日もそんな場面に出会ったが、その意見は新鮮で、面白い経験だった。ジイ達・大人は沢山の経験を積んできているが、それは諸刃の剣。経験を疑わないことで、思わぬ過ちに陥ることだってある。・・・な〜んて思わせるほど、楽しい出会いがありました。それは「ももん&カミナリ」で飯田市の保育園公演。市文化会館の事業で、幼保・小学校での観劇がある。会館が紹介する作品(劇団)に対して、各園が手を挙げ実施する。予算は市が負担している。さすが「人形劇フェスタ」の街である。ジイ達のグループも年に2〜3回は上演しているが、先生方の対応は見事。子ども達の舞台への集中度も中々のもので、夏のフェスタで観慣れている感がある。
話はステージではなく、子ども達と一緒に頂いた給食。飯田では副食のみの給食で、主食=ご飯は家から持ってくる。これはこれで、何か意図があるのだろう。3歳未満児にはご飯も給されるので、ジイ達はそのおこぼれにあずかる。その日の園は、3歳以上児が縦割り保育。3クラスのそれぞれに、3・4・5歳さんが暮らしている。ジイがご一緒したのは、カブトムシグループ。席に着き「頂きます!」と言う前に「ねぇ、どこから来たの?」…これは定番ですが、「名古屋市からだよ」と答えると「あ、ナゴヤ行ったことある」等と返ってくる。最前列の男子二人は「水族館にも行ったよ」「俺も!動物園も」「動物園は横にあるもんね」…と自慢合戦。因みに動物園はかなり離れていますが、彼らは納得していました。…ひとり後列の子が「名古屋って小さいの?」ジイ「結構大きいよ」「ふ〜ん。じゃ、そのビルがたがた?」「???」どうやら彼は、ジイがそこから来たナゴヤ=家的なモノだとイメージしている。先生の「帰ってからお家の方に聞いてみようね」には聞く耳を持たず、しばらくの後「ねぇ、名古屋は誰がいるの?」…誰って、う〜ん、どう答えりゃ良いんだ!真っ直ぐに聞いてくる彼に、全く太刀打ちできませんでした。
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2024年11月04日

ウサジイの公演日記#1102

東海道「宮の渡し」は、熱田から海路で桑名へ向かう船着場。そのすぐ南に、内田橋商店街はある。多くの商店街同様かなり寂びれているが、一部に新規・面白い業者が入り、小さく息を吹き返している。ここで文化の日に商店街主催のお祭りがあり、ジイ達が「ももんちゃん」と「プーとブー」のミニステージを上演した。…と云っても野外ステージではなく、アーケードからは裏側にあたるビルの一階・とある劇団のアトリエです。間口2間半・奥行き6間ほど、以前は工場だったらしく少々複雑な出っ張りもある。
何故そこで?…夏に行われた人形劇のワークショップ。そこに参加した劇団の若手が、小劇場を主催する方と知り合った。彼は隣接する商店街とも仲良く、昨年のお祭りで自分の作品を上演した。が、どうもお祭りの雰囲気に馴染まないような気がしていた。そこでファミリー向け作品=むすび座に打診があったという経緯。話を聞いた若手グループから持ち掛けられたジイ達は、即断「是非やろう!」…が、会場条件がやや厳しいらしく、下見と打合せに伺った。客席は限定されるが、作品を選べば難しくはない。お祭りの中なので、20分弱の作品を13・14・15時の連続公演、料金もそれに見合うようワンコインに設定。打合せには商店街の理事も同席し、催し全体の中でどう活動するかが確認された。
当日は、用心して9時には仕込み開始。11時前には客席・受付も含めて準備完了。アーケードの方へ行くと、商店街には特別メニューのポスター・車道には何台ものキッチンカー・メインステージではフラダンスが行われている。端の方には地域の消防団や、自衛隊のブースまであった。その中を若手グループが宣伝して回る。サンドウィッチマンスタイルで、人形片手にチラシをまく。
で、公演は…前売りチケットなしで、どう転ぶか判らない中、各ステージ30名弱の入り。「どこそこで観たことがあります」って方も多く、大人だけのご来場もそこそこ。しかも初人形劇らしく、会場の状態を確認してからのチケット購入の方も。(確かに、いきなりニンギョウゲキがあるって言われても、不思議だったりします)子ども達も、各10人弱来てくれて「ありがとう!」でした。
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2024年11月01日

ウサジイの公演日記#1101

浜松市のこども園で「ももん&カミナリ」の公演。大学まである法人の施設だが、田園地域にあり子ども達は超人懐っこい。規模もそこそこある園だが、スタッフの人数が贅沢な感じ。…ある意味、チョット(良い意味で)変わってる園です。10年ほど前に初めて伺って以来、ずっと呼んでもらっている。上演時に楽しいのは、会場入口に掲示されたポスター。先生がパソコンで作ったようです。子ども達は、これまた手作りのチケットを持ってやって来る。入口で先生がもぎっての入場です。
それからが、チョット変わってる。まず「皆、座りたい所に座りましょう」…年齢順とかではないのです。入場した順に好きな所に座る。その日は年長クラスが早かったので、彼らが最前列。色んな意見があるかと思いますが、これはこれで面白い。座高がさほど変わらなければ、鑑賞エリアが十分にあれば、色んな順序で試してみるのも良いかと思う。後から来た子が、最前列に割り込んだりするから、いわゆる「自主性の尊重」が確保されている。
そんな園だから、寝転んで観る子がいても放任。演じる側には特に影響ないわけで…ジイ達はどんな格好で観ても気にしません。(寝てると目線が下からになり、見づらいとは思いますが…)それから、踊る子もいた。「カミナリ」の舞台転換時の音楽が気に入ったのか、踊りだし、音楽終了後もしばらく踊っている。これには先生方は大笑い。「カミナリ」上演中に「お爺ちゃ〜ん!」と声がかかる。理由は不明だが、彼は終盤・爺さんゴロちゃんを待つの景でも、爺さんの「お〜い、坊主〜!」に呼応して「お〜い、坊主〜!」こればっかりは演者として、やり辛い。…叱咤激励の言葉として、いただいておきました。
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2024年10月23日

ウサジイの公演日記#1100

「ともだちや」で、名古屋市内の幼稚園公演。昨今、公立幼稚園は定数割れが激しい。ここも今年は30名程。しかも年少クラスは5名と、先細り状態なのです。園長先生との打合せ時「在園児の父母が園を応援するために、インスタグラムを開設しまして。写真とかOKでしょうか?お顔は隠さなくて大丈夫でしょうか?」もちろんOK!「むすび座、と入れておいてください!」…実はこの先生とは昨年も「ぐるんぱ」でお会いしており、古くからの人形劇団Rの舞台に立ったこともある方。Rの故МTさんの昔ばなしに花が咲きました。
この日は登園時を避けて早めに入ったため、仕込みが終わっても時間はたっぷり余っている。会場の隣・年長クラスを覗くと、ほぼ全員が工作をしている。先生も夢中になって何やら作っている。すると…いきなり手を引かれる。名札にはS君とある彼(恐らくダウン症だと思われる)の仕業らしい。見るとカセットレコーダー。音楽を聴きたいが、上手くゆかないようだ。よく見ると、電源がとれていない。「これ、電気に繋がってないんだよ」と言うと、再び手を引いてトイレに導く。いやいや、そんな所に行っても無理でしょと、取り合えず先生を呼ぶ。…が、実はトイレの入口に延長コードが延びていた。先ず彼に謝り、電源ON!調子の良いダンス音楽が流れ、周囲の子達も踊り始めました。
もう一人、気になる子。遅めにやって来て、廊下で登園シールを選定するのに時間がかかっている。こちらが挨拶しても、返事はなし…と云うか顔を合わせてくれない。が、少しすると、会場に入って来て「こんにちは」と言い、ヒラヒラと走り去る。直後、先生が走り込み探す。「あぁ、あそこに居ますよ」と言うと、そちらに迎えに行く。ん〜、この子もチョット独自路線なんだなぁ。それにしても、スゴイ先生だ!見てないようで見ている。子どもの自由を奪わず、目を外さない。小規模園だからこそ…しかし教諭の力量も重要。
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2024年10月20日

ウサジイの公演日記1099

【ウサジイ昔ばなし】〈126〉・・・寛ちゃん
劇団創立者の一人である。もう一人・丹下さんに関しては多く書いたと思うし、でなくとも知られている部分は多い。寛ちゃん=田中寛次氏は、二人目の代表として劇団を支えてくれた。ジイが入団した時には既に事務局長。事務方のイメージが強いが、もちろん熱いモノを持った創造者なんです。そんな寛ちゃんの舞台を、学生時代に観ている。三重県の人形劇フェスに招聘した「おしゃれ店の前で」…人形を持たない芝居の部分もある、コミカルなステージだった。(と記憶している)3人班で他のメンバーは、長年在籍し定年退団したU女史と、後に退団して劇団を立ち上げたK女史。今考えるとスゴイ構成…って云うか、その後スゴクなった人たちだった。女性二人は入団間もない頃でしたから…。
沈思黙考の人だと見られがちだが、いざとなればズバッと切り捨てるような発言をする。忘れられないのは…(北陸で活躍されている「人形劇団とんと」さんは、むすび座出身なんですが)…そのお二人が劇団を立ち上げるためにむすび座を去る頃。劇団総会の打ち上げ宴会の席で、二人に決意表明の発言が求められた。ところが宴席はワイワイガヤガヤと盛り上がっている。すると寛ちゃん「静かに聞け!お前たちなぁ、彼らがどういう気持ちで福井に行くと思っているんだ!」と言いながら、手元の包丁で蒸しダコ(供された料理)を突き刺し続ける。劇団創立の大変さを知る人だからこその発言だったのだろう。…それから、レッスンについては「あんたたちは下手くそなんだから…云々」と、必要性を説いていた。
入団3〜4年目頃、早々に運営委員なったりで、少々天狗になっていたジイ。夕刻の劇団事務所に電話がかかって来た。出ると、代表・丹下さんへの用事らしい。丹下氏は不在、目の前には寛ちゃんがいた。で「寛ちゃんでも良いか」と言いながら受話器を渡そうとした。すると「あんたが対応したら?」と言われる。考えてみれば「でも」とは、実に失礼な発言だった。40年経っても、その時の冷や汗はしっかりと覚えている。そんなこともあったのに、ある面ジイのことを買ってくれていて…今の場所に稽古場を移転する際、候補の土地に行き、意見を求められた。「トラックの出入りを考えるとこっちだと思う」と答えると「あ〜、なるほどな」 その後、次期代表を推薦するアンケートに寛ちゃんは、「アバウトな人間だから」との理由でジイの名を書いていた。この「アバウト」に関しては、未だ意味不明である。
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2024年10月19日

ウサジイの公演日記#1098

名古屋市内の保育園で「カミナリ&ももん」到着すると先生方総出で搬入、アッという間に終わってしまった。という訳で仕込みも早く終了。という所に、会場=遊戯室外で何やらガタピシ。「まだ入っちゃダメよ」と先生の声。ジイ出て「チョット見学する?」に対して彼=5歳のS君は、眼を輝かす。「ここまでね」と示したラインをちゃんと守る。一通り舞台を眺めると、先生に促されて帰って行った。園長先生曰く、支援の必要な子が多いそう。彼もそうなんだろうか?・・・そのS君、「ももん」途中で退席。が、幕あいで再入場、「カミナリ」は最後まで観てくれた。後から聞くと大きな音がニガテらしい。(そんな子はかなり多い)「カミナリ」の大きな音を耐えてくれて、ありがとう。
二日後に、その近くの幼稚園で「ともだちや」客席に一人離れて先生と座る男の子。膝にはぬいぐるみが鎮座している。上演が終わり、学年別に記念撮影。その後、年長さんだけ質問コーナー。上演前に覗いた年長クラスに手作りの作品が沢山あったので、こちらから「仕組みとか見ます?」と先生に提案。もちろん快諾で、「ゴロちゃん蓄音機」や尺取虫の作り方をレクチャーする。そんな中、例の縫いぐるみの彼が「虫に触りたい」と言う。現役の人形は基本NG、以前作って数回しか出ていない一回り大きい尺取虫を探し出し、彼に渡す。しばらく触り、納得して返してくれた。後で園長先生に聞いた。「なかなか自分を出せない。触りたいと言ったので、自分で言いなさいと提案。なんとか言えた。一歩前進です」観劇するとは、内容・テーマに触れるとは別の意味合いも大きいのですね。
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2024年10月16日

ウサジイの公演日記#1097

入団して43年。そのうち幼保作品には最初の4年余と、10年間の小学校作品を挟んでその後の30年近く関わっています。てなわけで、新設園を除いては大抵の園を知っています。が、この日うかがった所は初めて。劇団事務所の履歴簿によると、5年ほど前から行っている。それまではやってなかったのか?別の劇団だったのか?…公演先は名古屋市内の私立幼稚園。ジイが生まれる少し前に創立してるから、相当な老舗。ハイソな雰囲気をイメージして行ったのだが、いきなり先生方総出で搬入のお手伝いが始まる。開演前に出会う子たちも、極めて人懐こい。
で、お芝居が始まると、もの凄い反応!ジイ達は台詞のタイミングなど無視して、会場の静まりを待つことになる。それでも次第に集中してゆき、結果とても良いステージとなりました。でも上演中に幾つかアクシデントがあったようで…舞台からも、大騒ぎの先生方が見られたんですが…年中・4歳児さんの男子、公演後には後頭部にハンカチを当てながらの退出。聞くと、笑い転げて転んだらしい。それとは別に、同じく笑ってオデコゴチン!の子もいたらしい。お芝居中盤に鼻血を出した女の子もいた。心配していたジイ達でしたが、聞けば…鼻をほじっていた結果。大笑いでした。
翌日は浜松市の公立幼稚園。前日の園=230名超えに対して、こちらは4園合同でナント26名!浜松市は小規模園でも地域を大切に考えているようです。でも先生曰く「新入園児・5名以下が2年続くと、統合の対象となる」そんな園の合同観劇でしたが、ガイドラインは他の自治体よりかなり緩い。「ハママツ、頑張って!」です。因みにこの子たち、ジイ到着前から集合。4園合同で遊んでいました。先生「少人数だと問題もあります。多人数の集団に馴染めないのです」ん〜、確かに。…嬉しかったのは、「ともだちや」前半終盤に一旦退出した子。大きな音がニガテ。幕あいには帰って来て、ラストまで観てくれました。
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