名古屋市内の幼稚園で「ともだちや」の公演。ジイたち・おさんぽ劇場は10年ぶりの園。母体である教会はすっかりリニューアルされ、近代的な姿になっていた。が、園舎は懐かしいままの佇まい。内装は全て木造で、廊下の壁は漆喰の白が映えている。市の中心部=熱田神宮にほど近い場所なのに、かなり広い園庭。大きな木がそびえ、周りには小さな畑もある。子どもにとって最高の環境としか言いようがない。
さて仕込んでいると、ポツリポツリ と登園が始まる。各自、上着を丁寧にたたんでロッカーに入れる。被ってきた麦わら帽子がカラフルなので「洒落てるなぁ」→先生「自分で塗ったんです。お気に入りで、秋になってもずっと被ってるんです」…見ると、確かにマジックインキで塗ってある。マイ帽子は手放せないんでしょうね。…そのうち舞台近くに子たちが集まる。各教室の間が引き戸になっており、それが開いてるため丸見えなのです。「この線から入っちゃダメだよ」「空中だったら良い?」〜これは定番、廃れないものだなぁ〜 仕込み終わり体操を始めると、その子たちも真似て体を動かす。嬉しくて仕方がない様子だ。時季外れの蚊を見つけ「ぶ〜〜ん、チクッ!」と蚊のマネをすると、その子たちも真似る。と云うか、蚊の様に飛び回っては「チクッ!」と攻撃してくる。中々に想像力があるなぁ、なんて感じていた。
その子たちに限らず皆元気に遊んでいたので「こりゃスゴイ反応だろう」と思っていたら、拍子抜けするくらい集中、静かに観ている。メリハリある子たちだ。…終演後、その事を先生に伝える。遊び方も「創造的ですね」と話すと、先生「どうしてもダメなこと以外は、なるべく自由にしています。自分の力で行動できないと、大きくなってから困りますから」…いやぁ、実に素晴らしい子育てをしている!でも、アレコレシテイル(教育的なプログラムを)園に子どもが流れ、園児が減っているそうだ。ん〜〜なんとかならないものか。

