2025年02月12日

ウサジイの公演日記#1117

演劇が子どもの発達に良い影響をもたらす…学術的にも是とされている話ですが・・・。その日のお芝居が、その子の成長に確かな足跡を残した例に、何度か出会っています。でもそれは、ジイの長い公演生活でも何年かに一回。けれど最近もそんなことがあり、それはジイ達にフィードバックされて、幸せな気分にさせてもらっています。
東濃・土岐市のこども園で「ももん&カミナリ」の日。先生との上演打合せでは「入場が不安・人見知りの子は、予め下見して役者と触れ合ってください」と伝えている。すると衣装替えをした頃に、会場の前に先生と男の子の姿が見える。引き戸を開けて入ろうとしたが、直ぐに廊下に戻ってしまう。初めてのジイ達は警戒すべき存在なのだろう。おさんぽメンバーのCちゃんが「ワンワン」を取り出して見せる。(ワンワン=ウェルカム人形…註・参照)すると急に警戒心を解き、小躍りするように会場に入ってくる。そしてワンワンに近づいたり逃げたり。やがて先生が保育室に帰るよう促すが、そうはゆかない。Cちゃんのワンワンがエスコートして帰って行った。
さて上演。皆が一堂に会する催しには一度も来れなかった彼。上演が始まる頃には会場前に居り、自ら入って来てくれた。「ももん」は完璧に観劇。「カミナリ」は途中、出たり入ったりだったが、恐らく6〜7割は観られたんじゃないだろうか。…そして終演後、先生から感動の報告があった。言葉が遅れている彼。今まで園では「いや!」しか言えなかった。しかしこの日、初めて「はい!」と言ったらしい。先生は「おうむ返し的に言ったんです」「周りの先生もビックリ!」だという。想像するに「ももん」終盤・抱っこされて「た〜たん」と言うももんに「は〜い」と応えた場面じゃないかと思う。・・・なぜ彼がそこで言葉を発したのか?不明だが、何かしら感じるモノがあったのでしょう。先生「お帰りの時に、お母さんに伝えます」と嬉しそうでした。
※註:ウェルカム人形=観客入場時に、時々パフォーマンスする人形など。「ケンムン」ではロボット君、「コンポン」では松ぼっくり三兄弟、「ぐるんぱ」ではコロコロ(円筒形のオブジェ)でした。
posted by むすび座メンバー at 17:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする