2023年05月04日

ウサジイの公演日記#988

【ウサジイ昔ばなし】〈99〉・・・ノミ、カンナ
先日工房で、珍しくカナノコを使っている姿を見かけた。金属製のモノを切断するためだが、作業している者曰く「ステンレスだからさ、バンドソーじゃ歯に無理がかかるよな」そうそう、そのとおり!バンドソーはアルミかトタン程度にしておいてね、歯が傷むから…。で、時間がかかるし疲れるけれど、カナノコで地道に切断してほしいジイです。そんなことから、想いは広がって・・・
劇団工房のラックのひとつ、その最上段に乗っているモノ=バインド線の巻と、浅めの木箱が二つ。箱の中身は、ひとつが鑿(ノミ)、もう一つは鉋(カンナ)。滅多に使われることはない。が、その昔は必要不可欠な道具だった。と云うのも1980年代初頭、劇団工房にあった電動工具と云えば、卓上の糸鋸・電動ドリルのみ。80年代半ばになり、バンドソー・大型糸鋸・ボール盤・ベルトサンダー・昇降盤が次々に導入されるまでは、手に持つ道具でコツコツと作業をしていた。入団直後に製作した「コンポン」のテーブル状蹴込みでも、ノミは大活躍。片方にホゾを刳り、もう一方をはめ込む方法で組み立て式にしたのだ。天板用の板2カ所にノコで切れ込みを入れ、間をノミで彫る。相手の材がスッとはまる寸法にするのに苦労した。
鋸(ノコギリ)も、使用頻度は減っているような気がする。確かにバンドソーは速いし、垂直に切断できる。が、上手に切らないと曲がる。そもそも曲線も切れるように出来ているのだから仕方がない。その点、手引きのノコは真っすぐに切れる。だから、作業の目的次第で工具を選択するのも必要かと思う。・・・ちなみにカンナ…先日、釘打ちした材が1oほど出っ張った。紙ヤスリでは遅々として進まない、ベルトサンダーでは削りすぎが心配。そこで登場したカンナ、一番頼りになりました。
posted by むすび座メンバー at 17:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする