3日間の長野県公演。飯田市の小学校(+隣の保育園)〜松本市の幼稚園〜同市の保育園で「ともだちや」…反応がそれぞれで、中々に面白い。飯田市は、40余年の歴史を持つ人形劇フェスティバルの街。加えてこの小学校では、高学年の授業に人形劇の上演までがカリキュラムに組み込まれている。大いに受け、楽しい会場だったが、終演後には人形劇製作中の学年の質問コーナーがある。彼らの作品は当然蹴込芝居で、果たしてアドバイスになったか?…それなりに意味あり、良かったみたいです。舞台をバラシていると5年生がやって来て、感想文を貰う。いやそれがナント、パソコン製作でイラスト付き!こんな頃から、PCに慣れ親しんでいなくちゃならないんだなぁ。
松本へ移動しての翌日。その園は、ある意味自由度が高いようだった。開演前に園庭の向こうの方に走って行く子に対しても、先生の対応は「待つ」。印象深かったのは、仕込み中に入ってきた女の子。自分だけの世界があるようで、こちらの声掛けになかなか応じてくれない。で上演中、その子はそれなりに興味深く観てくれた。終演後しばらくすると、再びやって来る。こちらはバラシ中。ウロウロしているうちに、片付けたパネル箱を倒してしまう。慌てて戻そうとするが、やや重いために出来ない。実際には倒れてても問題ないのだが、「自分で直せないようなことをするな」と叱責するジイ。すると、何とか立てようとするが…どうにも出来ないようなので手を貸すと、彼女は「三輪車だってチャント立てられるんだから…」と言い返してくる。どうやら、彼女のプライドを傷つけてしまったようだ。
そのまた翌日は、中心部のやや大きめの園。しばらくぶりだったが、思いがけず大きな反応!慌てて芝居中に、スピーカーの音量を上げるほど。そんな訳で、反応が収まるのを待ちながらの上演でした。が、それも次第に小さくなり、最後の方ではかなり集中した客席でした。終演後の園長先生との歓談時、こんな事を話してくれました。「オオカミさんが手紙を書く時、すぐ前の年長の女の子が隣の子の肩に手を回した。するとその子も呼応して肩を組んだ。二人で『何て書くんだろう?』『私なら、こう書く』なんて考えてるようだった」…嬉しいなぁ。
2024年06月28日
2024年06月23日
ウサジイの公演日記#1075
【ウサジイ昔ばなし】〈124〉・・・廃業…
劇団がずーーーッとお世話になっている自動車整備会社が閉じるという話を聞いた。ほぼ、S氏お一人で整備をしている工場。見た目は若々しいが、かなりのお歳だと思われる。ジイ入団の44年前はおろか、もっと前から劇団の全車両の面倒を見てもらってきた。(因みに、同志・劇団うりんこさんも依頼されていた)ジイが定年を迎えた後、社用車の車検にうかがう度に、車の話で盛り上がった。車が大好きで、この歳まで頑張ってきたのだろう。そんなS氏の思い出は、数多くある。
*1980年代中盤「石の馬」横浜公演へ向かう途中、牧之原SAでトラックのオイル漏れ発覚。とにかくS氏に電話。「どうしようもないから、レンタカーを依頼せよ」…そのトラックは最寄りのインターで下り、近くの修理工場に避難。その日のうちにS氏が大型トラックに載せて、名古屋まで運び直してくれた。*1990年代初頭「悟空誕生」中国地方のツアーからの帰途。ガリガリッ!と異音があり、クラッチが繋がりにくくなる。⇒電話。「ギアが割れてるかもしれない。2速発進で、慎重に4速に入れ、そのまま走れ」ギアを介さずに走行せよという意味。祈る気持ちで走り(休憩は極力取らず)なんとか帰名〜工場へ。*同じ頃、地元で動かなくなったワゴン車。⇒電話。「2〜3速でクラッチ切って押す。スピードが出たら、いきなり繋ぐ」何度かトライして動きました。今から考えると乱暴なやり方もありますが、S氏は劇団の状況を熟知しており、安全であれば費用が掛からない方法を指南してくれたのでしょう。車検時でも部品交換は最小限。今・おさんぽ劇場のワゴン車も、直近の車検時に「このタイヤは次は変えんといかんかなぁ」…と言われたと云うことは、かなりヤバいと云うこと。様子を見て、交換するとしよう。
廃業と云えば、これも長年付き合いの照明会社。数年前に逝去した初代が、それまでの会社から独立したところです。照明家というよりは、芝居大好きな方で、ジイ達のレパにもダメ出し多々。二代目社長は名古屋出身で、東京大手照明会社のホープだった方。諸々の理由で帰名、初代が絶賛していた照明家。…が、大きな収入源であった商業ホールが休業となったこともあってか、昨年を以て会社を閉じた。残念です。
劇団がずーーーッとお世話になっている自動車整備会社が閉じるという話を聞いた。ほぼ、S氏お一人で整備をしている工場。見た目は若々しいが、かなりのお歳だと思われる。ジイ入団の44年前はおろか、もっと前から劇団の全車両の面倒を見てもらってきた。(因みに、同志・劇団うりんこさんも依頼されていた)ジイが定年を迎えた後、社用車の車検にうかがう度に、車の話で盛り上がった。車が大好きで、この歳まで頑張ってきたのだろう。そんなS氏の思い出は、数多くある。
*1980年代中盤「石の馬」横浜公演へ向かう途中、牧之原SAでトラックのオイル漏れ発覚。とにかくS氏に電話。「どうしようもないから、レンタカーを依頼せよ」…そのトラックは最寄りのインターで下り、近くの修理工場に避難。その日のうちにS氏が大型トラックに載せて、名古屋まで運び直してくれた。*1990年代初頭「悟空誕生」中国地方のツアーからの帰途。ガリガリッ!と異音があり、クラッチが繋がりにくくなる。⇒電話。「ギアが割れてるかもしれない。2速発進で、慎重に4速に入れ、そのまま走れ」ギアを介さずに走行せよという意味。祈る気持ちで走り(休憩は極力取らず)なんとか帰名〜工場へ。*同じ頃、地元で動かなくなったワゴン車。⇒電話。「2〜3速でクラッチ切って押す。スピードが出たら、いきなり繋ぐ」何度かトライして動きました。今から考えると乱暴なやり方もありますが、S氏は劇団の状況を熟知しており、安全であれば費用が掛からない方法を指南してくれたのでしょう。車検時でも部品交換は最小限。今・おさんぽ劇場のワゴン車も、直近の車検時に「このタイヤは次は変えんといかんかなぁ」…と言われたと云うことは、かなりヤバいと云うこと。様子を見て、交換するとしよう。
廃業と云えば、これも長年付き合いの照明会社。数年前に逝去した初代が、それまでの会社から独立したところです。照明家というよりは、芝居大好きな方で、ジイ達のレパにもダメ出し多々。二代目社長は名古屋出身で、東京大手照明会社のホープだった方。諸々の理由で帰名、初代が絶賛していた照明家。…が、大きな収入源であった商業ホールが休業となったこともあってか、昨年を以て会社を閉じた。残念です。
2024年06月20日
ウサジイの公演日記#1074
四日市市の子育て支援センターで「どんどこももんちゃん」のみ×2回の公演。劇団は乳児向けの作品を持っているが、稀にこのような依頼が入る。絵本「ももんちゃん」シリーズが低年齢向けであるのが理由だろう。この作品は元々、乳児向けに創ったわけではない。上演作品の主人公の意思の流れをを十分に理解するには、それなりの経験値が必要だと思っている。が、2歳児程度であれば、まあまあ理解しているようだ。加えて人形劇界のヒーロー=蝶々・蛙・青虫が登場するため、乳児さんにとっては良いようだ。(これら動物の特異な動きを追うことが心地よいのかもしれない)
ともあれ、経験が少ないため、上演する際にこちら側は緊張する。声のボリューム・メリハリ・芝居の速度など、どの程度が彼らに会っているのか?入場時から、年齢や性格を気にして子ども達を迎える。…この日の会場は何年も継続してお世話になっているところだし、スタッフの方々も経験値が高いようで安心感はある。開演時の挨拶でも、親御さんへの諸注意に続いて「お子さんがこちら側=ステージに入るのは危ない面もありますが、それ以外では自由に歩き回っていただいても構いません」…そうそう、判っていらっしゃる!
さて上演、案の定どちらのステージでも演技エリアに近づく子がいました。って云うか、ケコミに突撃したり、後ろ側に回りそうになったり。そこは信頼のスタッフが、ギリ・セーフのタイミングでカバーしてくれました。この「ギリ」って言うのが重要。危なくなりそうな時点で阻止しては、楽しんでいる子どもを阻害しかねない。実際、客席前で立って観ていた子は、お芝居の変化に呼応して跳ねたり止まったりしていた。上演時間が短い割には結構疲れたステージだったが、楽しさも多い日でした。
ともあれ、経験が少ないため、上演する際にこちら側は緊張する。声のボリューム・メリハリ・芝居の速度など、どの程度が彼らに会っているのか?入場時から、年齢や性格を気にして子ども達を迎える。…この日の会場は何年も継続してお世話になっているところだし、スタッフの方々も経験値が高いようで安心感はある。開演時の挨拶でも、親御さんへの諸注意に続いて「お子さんがこちら側=ステージに入るのは危ない面もありますが、それ以外では自由に歩き回っていただいても構いません」…そうそう、判っていらっしゃる!
さて上演、案の定どちらのステージでも演技エリアに近づく子がいました。って云うか、ケコミに突撃したり、後ろ側に回りそうになったり。そこは信頼のスタッフが、ギリ・セーフのタイミングでカバーしてくれました。この「ギリ」って言うのが重要。危なくなりそうな時点で阻止しては、楽しんでいる子どもを阻害しかねない。実際、客席前で立って観ていた子は、お芝居の変化に呼応して跳ねたり止まったりしていた。上演時間が短い割には結構疲れたステージだったが、楽しさも多い日でした。
2024年06月15日
ウサジイの公演日記#1073
島根県松江市の南部・旧八雲町にある「しいの実シアター」で「ももん&カミナリ」の2日×2公演。、一昨年、同会場を中心に開催される「森の演劇祭in松江」に招聘されたばかりなんだが、その時の評判がよく、地元の子たちに広く観てもらいたいと再度の上演となった。シアターを管理運営するNPO法人「あしぶえ」の呼びかけに市内の幼保が呼応し、あっという間に満席になったという。市からの助成を受けて観劇料を低額にしているのも「あしぶえ」さんの力です。(当日も行政の職員を呼び、状況を体感してもらっていた)こうした取り組みがなければ、この地域の子たちはお芝居を観られなかったかもしれない。有難い活動です。
キャパ108名の小さなホールですが、天然木のベンチシートなので、幼児であれば150名程座れる。様々な地域から集まった園児だが、会場の雰囲気が良いためか、お芝居冒頭から大盛り上がり。1日目は「がんばれ〜!」の大合唱。橋渡り・山登り・お相撲のももんちゃんに「頑張れ〜」、爺さんとゴロちゃんのバトルに「頑張れ〜」。2日目はカミナリカレーの爺さんの味方。ゴロちゃんが何かしようとするたびに「来てるよ!」「危ない!」。変わった所では、壊れた蓄音機に呆然とする爺さんに「メルカリで売れば?」…う〜ん、かなり壊れているからダメじゃないかなぁ。
1日目の午後はフリーで、昼食には名物・割子蕎麦を堪能。その後、島根半島の北まで足をのばし、エメラルドグリーンの日本海に癒されました。…でも、ジオパークの展示館で学習もしたんですよ、宍道湖の成り立ちとか。
キャパ108名の小さなホールですが、天然木のベンチシートなので、幼児であれば150名程座れる。様々な地域から集まった園児だが、会場の雰囲気が良いためか、お芝居冒頭から大盛り上がり。1日目は「がんばれ〜!」の大合唱。橋渡り・山登り・お相撲のももんちゃんに「頑張れ〜」、爺さんとゴロちゃんのバトルに「頑張れ〜」。2日目はカミナリカレーの爺さんの味方。ゴロちゃんが何かしようとするたびに「来てるよ!」「危ない!」。変わった所では、壊れた蓄音機に呆然とする爺さんに「メルカリで売れば?」…う〜ん、かなり壊れているからダメじゃないかなぁ。
1日目の午後はフリーで、昼食には名物・割子蕎麦を堪能。その後、島根半島の北まで足をのばし、エメラルドグリーンの日本海に癒されました。…でも、ジオパークの展示館で学習もしたんですよ、宍道湖の成り立ちとか。
2024年06月14日
2024年06月12日
2024年06月11日
ウサジイの公演日記#1072
ここしばらくは、三重県東員町の園での公演が続いている。劇団は以前にも町取りまとめで上演していたが、コロナを機にしばらく遠ざかっていた。町内の6ケ園は、それぞれに保育園と幼稚園が併存している形。将来的には子ども園を見通しているのだろうか?にしても実際の園には、違和感の様なものは全くない。子ども達に「ここは何ていう園?」と聞くと「「@@幼稚園@@保育園」と連名の答えが返って来る。…しかし各園を巡演していると、子ども達のあり様はかなり違う。前半戦の新興住宅地域に比べて、今日の田園地域の子たちは物怖じせず触れ合ってくる。どちらが良いという訳ではないのだが、地域のあり様が反映しているようで興味深い。
で、田園地域の園では…仕込んでいると、会場の入口に先生&女の子が2〜3人。幕を張ってポールを延ばすと、驚きの声が上がり…「アブダカダブラ〜」と呪文が聞こえてくる。思いがけない状況に合わせて、言ったんだろうか?魔法の様な気がして…。(死語かと思ってた言葉でした)そのグループで目立ったSちゃん、「おじさん、おじさん」と、何かと問いかけてくる。面倒くさいので、あまり取り合わない。…が、スピーカーを組み立てると「あ、ロボットだ!」ほ〜、確かにそう見えないこともない。(と感心する)照明機材を組み立てた時に勝ち誇ったように「何だか判るか?」と問うジイ。彼女は「知ってるけど言わない」…ん〜、一枚上手でした。そんな彼女、上演中は微動だにもせずジーッと舞台を注視していた。アレコレと茶々を入れてくれるものだと期待していたのになぁ。いや、チャント鑑賞してたのは偉いよ。ジイの方が邪心アリだよね。
で、田園地域の園では…仕込んでいると、会場の入口に先生&女の子が2〜3人。幕を張ってポールを延ばすと、驚きの声が上がり…「アブダカダブラ〜」と呪文が聞こえてくる。思いがけない状況に合わせて、言ったんだろうか?魔法の様な気がして…。(死語かと思ってた言葉でした)そのグループで目立ったSちゃん、「おじさん、おじさん」と、何かと問いかけてくる。面倒くさいので、あまり取り合わない。…が、スピーカーを組み立てると「あ、ロボットだ!」ほ〜、確かにそう見えないこともない。(と感心する)照明機材を組み立てた時に勝ち誇ったように「何だか判るか?」と問うジイ。彼女は「知ってるけど言わない」…ん〜、一枚上手でした。そんな彼女、上演中は微動だにもせずジーッと舞台を注視していた。アレコレと茶々を入れてくれるものだと期待していたのになぁ。いや、チャント鑑賞してたのは偉いよ。ジイの方が邪心アリだよね。
2024年06月02日
ウサジイの公演日記#1071
「ともだちや」で香川県高松市の劇場公演。「ももん&カミナリ」でうかがったのは3年前、まだまだコロナの影響が大きかった頃でした。…ところで前日は「ぐるんぱ」の保育園公演。急いでバラシ、劇団に帰り、衣装の洗濯&荷物の積替え。なんとか13時過ぎには「行ってきま〜す!」伊勢湾岸道〜新名神〜山陽道〜本四架橋〜高松道と、5時間ほどで高松市の宿に到着。窓から見える夕暮れの屋島は、妙に存在感があり、歴史を感じさせる。さて、当日は午前・午後の2ステ。集客に心配なジイ達でしたが、終わってみれば合計は予想を超える160〜170人ほど。NPO法人である劇場さんの企画名は「親子deアートステップ!」、一般の方々に開けた公演だったからでしょうか。
取り分け午前のステージには小さな子たちが多く、開演前から元気いっぱい。冒頭・キツネが「どうすれば友達ができるのかなぁ?」と悩むと、「『友達になろう!』って言えば良いんだよ」…極めて簡単・真っ当なアドバイスをいただきました。コダヌキと友達になりたいオオカミ、キツネに「どうすれば良いんだ?」と問うと、「オモチャをあげる!」…ん〜、まぁそれは、君の場合なんだろうね。その後、自分の容貌を変えたいオオカミには、「前髪を切ればいいんだよ」…そんなに前髪が伸びてるとも思えないんですが。幕あいの積み木ゲームでも、珍回答が続出。もちろん本人は大真面目で、言葉だけでは伝わらないと、ステージまでやって来て自分で積む始末。暖かく見守ってくれたスタッフの皆さん、ありがとう。
帰途は、SAで買ったパンを夕食にひたすら走って、21時前には帰宅。
取り分け午前のステージには小さな子たちが多く、開演前から元気いっぱい。冒頭・キツネが「どうすれば友達ができるのかなぁ?」と悩むと、「『友達になろう!』って言えば良いんだよ」…極めて簡単・真っ当なアドバイスをいただきました。コダヌキと友達になりたいオオカミ、キツネに「どうすれば良いんだ?」と問うと、「オモチャをあげる!」…ん〜、まぁそれは、君の場合なんだろうね。その後、自分の容貌を変えたいオオカミには、「前髪を切ればいいんだよ」…そんなに前髪が伸びてるとも思えないんですが。幕あいの積み木ゲームでも、珍回答が続出。もちろん本人は大真面目で、言葉だけでは伝わらないと、ステージまでやって来て自分で積む始末。暖かく見守ってくれたスタッフの皆さん、ありがとう。
帰途は、SAで買ったパンを夕食にひたすら走って、21時前には帰宅。