福井県まで行ってきた、人形劇を観に。今年は近松門左衛門生誕370周年ということで、出生地の鯖江市で人形劇フェスが開催された。むすび座も「めっきらもっきどおんどん」を上演したが、お目当ては在阪の老舗劇団の「女殺し油地獄」実はこの作品、ジイは50年近く前の学生サークル時代に観ている。会場は名古屋の名演小劇場。かなりの衝撃を受けたらしく、今でも2つの光景=冒頭・野崎参りと殺しの景が脳裏に残っている。その時にはその後こんな仕事に就くなどとは思ってもいなかったのですが…。近年、同劇団が演出を変えて再演した。その時には都合がつかなかったが、この度再会できることとなった。
劇団内で公演のあることを話すと、たちまち同志が集まり4名のツアーとなる。ところが鯖江への北陸道は集中工事中。しかも当日に限って「自衛隊小松基地の航空ショーがあるため迂回を願います」とTVからのお知らせ。最悪の事態を考慮して@関ケ原〜R365で木之本〜R8のルート、A東海北陸道・白鳥〜R158で大野〜福井のルートを考える。で当日、早朝のウェブ情報では渋滞はほとんど発生していない。が、名古屋高速・一宮線を北上すると、名神・一宮IC手前2qから渋滞!A案を採用して、一宮ICをスルー、北陸東海・木曽川IC目指す。郡上市・白鳥西からのR158は九頭竜湖をかすめる気持ちの良い道だったが、それなりに時間を要する。朝倉氏の一乗谷はスルーして、福井ICから鯖江へ南下。ところが鯖江〜武生で事故発生・通行止め。目的地・鯖江の出口は大渋滞!何とかかんとか4時間かかって到着しました。
さて肝心のお芝居については、一言では説明し切れません。長時間のステージに観入ってしまったのは、贅沢なキャスティングやスタッフだけではないでしょう。何かのテーマを訴えるわけでもなく、その時代のある男の人生の一こまを描いているだけ。もちろん取り巻く人々の心情も描いてはいますが…。極論すれば、ダメ男君がさしたる葛藤もなく金銭のために殺人に至った…そんな状況だけなんです。だから「感動」とかそういったモノは生まれない。けれども観終わって、何か受け取った感じがある。そんな感じでした。
フェス全体では久しぶりに出会えた友もいて、有意義な一日。帰途は大きな渋滞もなく、それでも帰れば20時=出発から12時間後でした。