【ウサジイ昔ばなし】〈100〉・・・休暇
舞台の仕事はお客さんあってのモノ、日程変更はままならない。加えて人形劇はマイナーな世界、代役を立てられる余裕はそうそうない。よって「明日休みます!」という訳には簡単にはゆかない。ジイが入団した頃、劇団員は「俺たちゃ非国民」と言っていた。いや、国家にたてつこうってわけじゃなく、国民の休日が適用されない民である…という意味で。そんな劇団ですが、劇団規約で慶弔に関しての休暇を認めてはいる。認めてはいるが「弔」はいきなりやって来る。そこで劇団総出で対応に当たる。ジイも後輩の家族に不幸があった時、彼の公演班に助っ人として入ったことがある。
ジイ自身はと言うと(実家は長野県・車で2時間余)・・・入団時、両親に「親の葬儀に出られないかもしれない」とは宣言していた。実際かなりの確率で、そうなるとは思っていた。で実際は…親父は認知低下で施設に入ったが、しばらくの後体調を崩した。久しぶりに病院へ訪ねて行った翌朝未明、携帯が鳴っての訃報。その日は公演、翌日が空き日で、翌々日は北海道への移動日。葬儀に出て空路北海道もよぎるが、妹の手腕により、翌日中に通夜&葬儀というタイトなスケジュールが出来あがった。おかげで不孝回避。それから…母の時はコロナ禍。幸か不幸か、仕事がない時期に看取ることができた。不信心で神を信じないジイだが、親が子の状況を配慮してくれたとしか思えない。
さて慶事に関しては、まず妹の結婚式。1年前に報告があった。が、おやこ子ども劇場の日程はそれ以前に決まる。当日は遠く九州から祝福していた。(親族はどう思っていたのだろう?非難の声は聞こえていない)時は下って最近、姪の結婚式。1年以上前に連絡があったが、奇跡的にピンポイントで公演が入っていた。で、ゴメンナサイ。今年の秋に甥の式があり、出席可能。まぁ、それはそれで面倒な感じもある。
2023年05月26日
2023年05月23日
ウサジイの公演日記#989
昨年秋から巡演中の「ぐるんぱのようちえん」お芝居ではあるものの、読み聞かせ的なスタイル感がある為か、大盛り上がりになることは少ない。いや、もちろんチャ〜ント観てくれるのですが…。そんな中で先日、色んなツッコミのあったステージ。それは・・・コロナ下で年齢別の観劇をした経験から、それの良さを感じ、状況の変わった今年も長幼に分けてのステージを組んでくれた園でのこと。客席の年齢がタイトだと、そこに向けた演技になる。セリフの速さとか間合いとか。それが功を奏したのか、賑やかな反応のステージになった。
何よりウケたのは「思ったより面白いなぁ‥」こんな声は数年に一回しか聞かれない。彼がどんな舞台を予想していたかは知る由もないが、面白くとも有難いお言葉でした。ひょっとして近親者にこんなセリフの得意な方が居るのかもしれません。お芝居の中盤過ぎに聞こえてきて、その後はハッスルするしかないジイでした。それから最後列・年長さんの男の子(と追随する女の子)。ぐるんぱが新しい仕事に向かって「張り切っていくぞ〜!」という度に「お〜!!」と拳を上げてくれる。なんだか、すっかり乗せられてしまいました。あと、お芝居冒頭・汚れたぐるんぱを洗う場面。人形をすり変えるのではなく、汚れをまとった象から、それを剥がす様な表現をしてるんです。「キレイになった」が正解ですが、時々「皮が取れた」などと言われる。が、その日は「裸になった!」…つまり、それまで纏っていたのは衣服だと認識されていたのかな?ま、楽しいステージでした。
何よりウケたのは「思ったより面白いなぁ‥」こんな声は数年に一回しか聞かれない。彼がどんな舞台を予想していたかは知る由もないが、面白くとも有難いお言葉でした。ひょっとして近親者にこんなセリフの得意な方が居るのかもしれません。お芝居の中盤過ぎに聞こえてきて、その後はハッスルするしかないジイでした。それから最後列・年長さんの男の子(と追随する女の子)。ぐるんぱが新しい仕事に向かって「張り切っていくぞ〜!」という度に「お〜!!」と拳を上げてくれる。なんだか、すっかり乗せられてしまいました。あと、お芝居冒頭・汚れたぐるんぱを洗う場面。人形をすり変えるのではなく、汚れをまとった象から、それを剥がす様な表現をしてるんです。「キレイになった」が正解ですが、時々「皮が取れた」などと言われる。が、その日は「裸になった!」…つまり、それまで纏っていたのは衣服だと認識されていたのかな?ま、楽しいステージでした。
2023年05月04日
ウサジイの公演日記#988
【ウサジイ昔ばなし】〈99〉・・・ノミ、カンナ
先日工房で、珍しくカナノコを使っている姿を見かけた。金属製のモノを切断するためだが、作業している者曰く「ステンレスだからさ、バンドソーじゃ歯に無理がかかるよな」そうそう、そのとおり!バンドソーはアルミかトタン程度にしておいてね、歯が傷むから…。で、時間がかかるし疲れるけれど、カナノコで地道に切断してほしいジイです。そんなことから、想いは広がって・・・
劇団工房のラックのひとつ、その最上段に乗っているモノ=バインド線の巻と、浅めの木箱が二つ。箱の中身は、ひとつが鑿(ノミ)、もう一つは鉋(カンナ)。滅多に使われることはない。が、その昔は必要不可欠な道具だった。と云うのも1980年代初頭、劇団工房にあった電動工具と云えば、卓上の糸鋸・電動ドリルのみ。80年代半ばになり、バンドソー・大型糸鋸・ボール盤・ベルトサンダー・昇降盤が次々に導入されるまでは、手に持つ道具でコツコツと作業をしていた。入団直後に製作した「コンポン」のテーブル状蹴込みでも、ノミは大活躍。片方にホゾを刳り、もう一方をはめ込む方法で組み立て式にしたのだ。天板用の板2カ所にノコで切れ込みを入れ、間をノミで彫る。相手の材がスッとはまる寸法にするのに苦労した。
鋸(ノコギリ)も、使用頻度は減っているような気がする。確かにバンドソーは速いし、垂直に切断できる。が、上手に切らないと曲がる。そもそも曲線も切れるように出来ているのだから仕方がない。その点、手引きのノコは真っすぐに切れる。だから、作業の目的次第で工具を選択するのも必要かと思う。・・・ちなみにカンナ…先日、釘打ちした材が1oほど出っ張った。紙ヤスリでは遅々として進まない、ベルトサンダーでは削りすぎが心配。そこで登場したカンナ、一番頼りになりました。
先日工房で、珍しくカナノコを使っている姿を見かけた。金属製のモノを切断するためだが、作業している者曰く「ステンレスだからさ、バンドソーじゃ歯に無理がかかるよな」そうそう、そのとおり!バンドソーはアルミかトタン程度にしておいてね、歯が傷むから…。で、時間がかかるし疲れるけれど、カナノコで地道に切断してほしいジイです。そんなことから、想いは広がって・・・
劇団工房のラックのひとつ、その最上段に乗っているモノ=バインド線の巻と、浅めの木箱が二つ。箱の中身は、ひとつが鑿(ノミ)、もう一つは鉋(カンナ)。滅多に使われることはない。が、その昔は必要不可欠な道具だった。と云うのも1980年代初頭、劇団工房にあった電動工具と云えば、卓上の糸鋸・電動ドリルのみ。80年代半ばになり、バンドソー・大型糸鋸・ボール盤・ベルトサンダー・昇降盤が次々に導入されるまでは、手に持つ道具でコツコツと作業をしていた。入団直後に製作した「コンポン」のテーブル状蹴込みでも、ノミは大活躍。片方にホゾを刳り、もう一方をはめ込む方法で組み立て式にしたのだ。天板用の板2カ所にノコで切れ込みを入れ、間をノミで彫る。相手の材がスッとはまる寸法にするのに苦労した。
鋸(ノコギリ)も、使用頻度は減っているような気がする。確かにバンドソーは速いし、垂直に切断できる。が、上手に切らないと曲がる。そもそも曲線も切れるように出来ているのだから仕方がない。その点、手引きのノコは真っすぐに切れる。だから、作業の目的次第で工具を選択するのも必要かと思う。・・・ちなみにカンナ…先日、釘打ちした材が1oほど出っ張った。紙ヤスリでは遅々として進まない、ベルトサンダーでは削りすぎが心配。そこで登場したカンナ、一番頼りになりました。